サウナと温泉が同じ宿にある、という宿は珍しくありません。ただし多くは共用の大浴場にあり、部屋から歩いて向かうことになります。
この記事で扱うのは、サウナも温泉も客室の中にある宿です。廊下を歩かず、脱衣所で他の人と並ばず、サウナ→水風呂→外気浴→温泉の4ステップが部屋の中だけで終わります。
6軒を、源泉の種類と冷却の方法、そして動線が何歩で済むかで比べます。
結論|温泉は「サウナのあとに戻る場所」として効く
サウナ好きの間では、温泉はサウナの付属品のように扱われがちです。しかし温冷交代浴の組み立てで見ると、温泉には明確な役割があります。
冷えすぎたときに戻れる。水風呂で身体を冷やしたあと、外気浴で寒くなりすぎたら温泉に入れば戻せます。温泉のない宿だと、選択肢はサウナへ戻るしかありません。冬はこの差がはっきり出ます。
締めくくりを作れる。最後のセットのあとに温泉へ浸かると、身体が温まった状態で眠りに入れます。湯冷めしにくい泉質なら、その効きはさらに長く続きます。
サウナに入らない人も過ごせる。同行者がサウナを好きとは限りません。客室に温泉があれば、その人は温泉だけでも滞在が成立します。
そして客室にあることの意味は「回数」です。大浴場だと1日2回が現実的ですが、部屋の中なら朝晩合わせて4回でも5回でも入れます。
- 源泉が2種類ある:マリントピア・ザ・スイート(金温泉・銀温泉)
- 水風呂そのものが温泉水:マリントピア・ザ・スイート
- 希少な黒湯:五氣里 -itsukiri- プライベートヴィラ(地下300m・全室)
- 海を見ながら湯に浸かる:グランマーレ淡路
- サウナ室が大きい:グランマーレ淡路(8名)
- 温泉・プール・ジャグジーが揃う:Zenith プレステージヴィラ
客室に温泉とサウナが両方ある宿6軒の比較表
| 施設 | エリア | 温泉 | サウナ | 冷却 | 客室数 | 定員 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| マリントピア・ザ・スイート | 京都・宮津 | 自家源泉2種(金温泉・銀温泉) | 共用バレル(時間貸し)+上位客室に専用サウナ | 銀温泉の温泉水を使った水風呂 | 13室 | 最大6名 |
| 五氣里 -itsukiri- プライベートヴィラ | 千葉・いすみ | 地下300mの自家源泉「黒湯」を全室に(ナトリウム-炭酸水素塩泉) | ドッグスイート・プレミアムスイートの2タイプにバレルサウナ | プライベートプール(約19㎡の棟あり) | 9室(全棟80㎡以上) | 5〜6名 |
| グランデ プライベート ドッグリゾート常陸 Premium Villa Jolie | 茨城・小美玉 | 茨城琥珀温泉 | 客室サウナ(80〜90℃・3名) | ― | 1室 | 最大6名 |
| グランマーレ淡路 | 兵庫・淡路 | 単純温泉(海を望む客室風呂) | 客室サウナ(80〜90℃・8名) | ― | 5室 | 4〜10名 |
| レイクサイドテラス琵琶湖 | 滋賀・高島 | 自家源泉の天然温泉 | 客室サウナ(70℃・2名・セルフロウリュ) | ― | 18室 | 最大5〜6名 |
| Zenith プレステージヴィラ | 京都・宮津(1日1組) | 天然温泉(+ジャグジー) | 客室サウナ(90℃・3名・セルフロウリュ) | 天然地下水の水風呂+プライベートプール | 1室(140㎡) | 最大8名 |
2026年9月22日にサウナレの各施設ページで確認した内容です。棟やプランによって設備が変わる施設があります。泉質・効能の表記は各施設の公式情報をご確認ください。
「同じ宿にある」と「客室の中にある」は別のこと
サウナ付きの宿を探していると、「温泉あり」「サウナあり」と両方書かれている宿がたくさん出てきます。ただし、その2つが同じ場所にあるとは限りません。
共用の大浴場にサウナと温泉がある宿だと、部屋から着替えて歩いて向かい、混んでいれば待つことになります。これは日帰りのサウナ施設と大きくは変わらない体験です。
一方、客室にサウナと温泉が両方あると、サウナ→水風呂→外気浴→温泉の順番も、回数も、時間帯も自分で決められます。朝5時に入ってもいいし、夜中に思い立って入ってもかまいません。予約するときは「客室に付いているか」まで確認してください。
マリントピア・ザ・スイート【京都・宮津】|自家源泉が2つ、水風呂まで温泉水



京都府宮津市、与謝天橋立ICから車で約35分の丘に建つ全13室のリゾートです。最大6名。
温泉:ここは自家源泉を2つ持っています。「金温泉」と「銀温泉」で、性質が違うため役割を分けて使えます。この2種類があることで、温冷交代浴の組み立てに幅が出ます。
サウナ・冷却・外気浴:この宿のいちばんの特徴は水風呂が温泉水でできていることです。銀温泉の天然温泉水を使っており、冷水ではなく温泉成分を含んだ水に沈む形になります。施設ページには「肌当たりがやわらかく、深く沈むほどに心地よい」とあります。そのあと金温泉で温め直す——銀で冷え、金で温まるという流れが完成します。共用バレルサウナは宿泊者専用の時間貸しで80〜90℃、2026年7月からは上位客室に1日1組限定の客室専用サウナも入りました。外気浴はデッキで、寝転ぶと視界に丘の上の空だけが残ります。
こんな人におすすめ:水風呂の質を変えたい人。温泉水の水風呂は、循環式や水道水の水風呂とは肌当たりがまったく違います。源泉が2つあるので、温め直し方も選べます。
予約前に確認したいこと:客室専用サウナが付くのは上位客室だけです。共用バレルは時間貸しなので枠が埋まることがあります。客室で完結させたいなら、棟を指定して予約してください。

五氣里 -itsukiri- プライベートヴィラ【千葉】|全室に黒湯、サウナは2タイプに



千葉県いすみ市の里山リゾートにある、全棟80㎡以上のプライベートヴィラです。市原鶴舞ICより約30分。母屋を囲うように6タイプ・11棟が配置されています。
温泉:全室に自家源泉「黒湯」の客室温泉が付きます。地下300mから汲み上げる湯で、泉質はナトリウム-炭酸水素塩泉。施設ページには「肌にまとわりつくようなとろみが特徴」「『美人の湯』とも称される」とあります。千葉は関東有数の温泉地で、その中でもこの黒湯は全国的に希少とされています。サウナの有無にかかわらず全棟に客室温泉があるので、同行者がサウナに入らなくても滞在が成立します。
サウナ・冷却・外気浴:バレルサウナが付くのは「ドッグスイート」「プレミアムスイート」の2タイプです。ドッグスイートはプライベートヴィラで唯一ドッグラン付きの愛犬同伴可能な客室で、天然温泉風呂・約19㎡のプライベートプール・バレルサウナのすべてを備えます。冷却はそのプールで、サウナ→プール→温泉が棟の中で完結します。
こんな人におすすめ:温泉を主役にしたい人。希少な黒湯を客室で何度でも使えます。愛犬と行くなら、サウナとドッグランが両方あるドッグスイートが選べます。
予約前に確認したいこと:🔴 6タイプのうちサウナが付くのは2タイプだけです。「五氣里のプライベートヴィラ」とだけ覚えて予約すると、サウナのない棟に当たります。必ず棟タイプを指定してください。

グランデ プライベート ドッグリゾート常陸 Premium Villa Jolie【茨城】|1室だけの琥珀温泉



茨城県小美玉市、東京から車70分のドッグリゾートにある1室だけの上位ヴィラです。最大6名。
温泉:「茨城琥珀温泉」が客室に付きます。関東の内陸で客室温泉とサウナが両方揃う宿は多くないので、都内から車で行ける範囲としては貴重な組み合わせになります。
サウナ・冷却・外気浴:客室サウナは80〜90℃、定員3名。1室しかないため、チェックインからチェックアウトまで設備をまるごと専有できます。サウナと温泉の往復を、他の宿泊客を気にせず何度でも繰り返せます。
こんな人におすすめ:関東で客室温泉とサウナを両方使いたい人。東京から車70分という距離で、この組み合わせが揃う宿は限られます。最大6名なので、家族や2組のカップルでも使えます。
予約前に確認したいこと:Premium Villa Jolie は1室だけです。同じ敷地の他の棟とは設備が違うので、この棟を指定して予約してください。サウナ室は3名なので、6名で泊まるなら交代になります。この棟はペットの同伴ができません。

グランマーレ淡路【兵庫】|海を望む客室風呂と、8名が入れるサウナ



兵庫県淡路市釜口、瀬戸内海に面した全5室のグランピングです。定員4〜10名。
温泉:単純温泉が客室に付きます。この宿の特徴は湯船から海と空がそのまま見えることです。大きく取られた窓の向こうに水面が広がるため、湯に浸かっている時間がそのまま景色を見る時間になります。
サウナ・冷却・外気浴:客室サウナは80〜90℃で定員8名。この記事の6軒でいちばん大きいサウナ室です。サウナ室からも海が見えます。グループ全員が同時に入れるので、交代で待つ時間が生まれません。定員は4〜10名なので、大人数で行っても動線が詰まりません。
こんな人におすすめ:グループで行って、全員が同時に入りたい人。サウナ室が8名というのは、一般的な客室サウナ(2〜4名)の倍以上です。海を見ながら入れる客室風呂も、人数に関係なく効きます。
予約前に確認したいこと:専用の水風呂はありません。冷却は水シャワーか客室風呂との温冷交代になります。ペットは同伴できません。

レイクサイドテラス琵琶湖【滋賀】|自家源泉と、70℃でゆっくり入るサウナ



滋賀県高島市勝野、琵琶湖のほとりに建つ全18室のリゾートです。最大5〜6名。
温泉:自家源泉の天然温泉です。この記事の6軒では客室数が最も多く、日程を合わせやすいのがこの宿の利点になります。1日1組の宿は体験が濃いぶん予約が取りにくいので、「行きたい日に行ける」という条件を優先するならここが有利です。
サウナ・冷却・外気浴:客室サウナは70℃、定員2名。セルフロウリュでアロマ・ハーブ・ほうじ茶が使えます。70℃は一般的な客室サウナ(80〜100℃)より低めの温度帯です。低温でじっくり汗をかくタイプなので、高温が苦手な人や長く入っていたい人に向きます。外気浴は琵琶湖を望むデッキで。
こんな人におすすめ:高温のサウナが苦手な人。70℃なら息苦しさが出にくく、10分以上いても負担になりにくい温度です。サウナに慣れていない同行者と行くときにも向きます。客室数が多いので、繁忙期でも取りやすくなります。
予約前に確認したいこと:サウナ室の定員は2名です。5〜6名で泊まるなら交代で入ることになります。愛犬の同伴はドッグサファリテント2室のみです。

Zenith プレステージヴィラ【京都・宮津】|140㎡を1組で、温泉・プール・ジャグジー



京都・天橋立エリアの高台に建つ、黒を基調とした和モダンの一棟貸しヴィラです。与謝天橋立ICから21.4km。140㎡の邸宅を1日1組だけが専有します。最大8名。
温泉:天然温泉に加えてジャグジーもあります。温め直す手段が2つあるので、温度を変えながら体を戻せます。
サウナ・冷却・外気浴:客室サウナは90℃、定員3名でセルフロウリュ対応。ほうじ茶やハーブティーを使うと、蒸気の香りが入れ替わります。冷却は天然地下水の水風呂とプライベートプールの2通り。サウナの扉を開ければプールまで数歩です。施設ページには「冬のプールは水温が下がり、一瞬で覚醒するような冷たさ」とあります。ファイヤーピットもあるので、夜の外気浴は火のそばで過ごせます。
こんな人におすすめ:選択肢を多く持ちたい人。冷却が2種類、温め直しが2種類あるので、その日の体調と気温に合わせて組み替えられます。1日1組で140㎡を専有するので、8名で泊まっても窮屈になりません。
予約前に確認したいこと:サウナ室は3名です。8名で泊まるなら交代で入ることになります。1日1組なので日程の選択肢が限られます。ペットは同伴できません。

目的別の選び方
- 水風呂の質を変えたい:マリントピア・ザ・スイート(温泉水の水風呂)/Zenith プレステージヴィラ(天然地下水)
- 源泉そのものを楽しみたい:五氣里 -itsukiri- プライベートヴィラ(黒湯)/マリントピア・ザ・スイート(自家源泉2種)
- グループ全員が同時に入りたい:グランマーレ淡路(サウナ8名)
- 高温のサウナが苦手:レイクサイドテラス琵琶湖(70℃)
- 関東で探している:五氣里 -itsukiri- プライベートヴィラ(千葉)/ドッグリゾート常陸 Premium Villa Jolie(茨城)
- 行きたい日に取りたい:レイクサイドテラス琵琶湖(18室)/マリントピア・ザ・スイート(13室)
- 愛犬と行く:五氣里 -itsukiri- プライベートヴィラ(ドッグスイート)
客室に温泉があるサウナ宿を選ぶときに見るべき3点
1. 「温泉あり」が共用の大浴場を指していることがある
宿の紹介に「温泉」と書かれていても、それが共用の大浴場なのか客室風呂なのかは別です。共用だと、部屋から着替えて歩き、混んでいれば待つことになります。客室で完結させたいなら、「客室温泉」「客室露天風呂」「全室に源泉」といった表記があるかを確認してください。同じ宿でも棟やプランによって変わることがあります。
2. サウナが付くのは一部の棟だけ、ということが多い
この記事の6軒のうち、五氣里 -itsukiri- プライベートヴィラは6タイプ11棟のうちサウナが付くのは2タイプだけです。マリントピア・ザ・スイートも、客室専用サウナは上位客室に限られます。宿の名前で覚えず、棟タイプまで指定して予約してください。「サウナ付きの宿に泊まったのにサウナがなかった」という取り違えは、ここで起きます。
3. 温泉は「冷えすぎたときの逃げ場」として数える
温泉の価値は、気持ちよさだけではありません。水風呂と外気浴で冷えすぎたときに戻れる場所が1つ増えるという点が、サウナの組み立てでは大きく効きます。とくに冬は外気浴が短くなりがちですが、温泉があれば「冷やす→戻す」を何度でも繰り返せます。温泉のない宿では、戻る先がサウナしかありません。
よくある質問
客室に温泉があると、何が違いますか?
入れる回数が変わります。共用の大浴場だと1日2回が現実的ですが、客室にあれば朝晩合わせて4回でも5回でも入れます。脱衣所で並ぶことも、他の人を気にすることもありません。サウナ→水風呂→外気浴→温泉の順番も、自分たちで決められます。
サウナと温泉はどちらを先に入るのがいいですか?
サウナを先にして、温泉を締めくくりに使うのが基本です。サウナ→水風呂→外気浴を数セット繰り返したあと、最後に温泉へ入ると身体が温まった状態で休めます。途中で冷えすぎたときに温泉へ入って戻す、という使い方もできます。
温泉の効能はどう見ればいいですか?
温泉の効能の表記は法律で語が決まっており、泉質ごとに書ける内容が定められています。この記事では泉質名(ナトリウム-炭酸水素塩泉、単純温泉など)だけを紹介しています。効能については各施設の公式情報をご確認ください。
同行者がサウナに入らなくても楽しめますか?
楽しめます。客室に温泉があれば、その人は温泉だけで滞在が成立します。五氣里 -itsukiri- プライベートヴィラは全棟に客室温泉があり、サウナが付くのは一部の棟という構成なので、サウナに入る人と入らない人が一緒に泊まるのに向いています。
客室サウナの定員が少ないのですが、大人数だと困りませんか?
客室サウナは2〜4名のものが多く、宿の定員より小さいのが普通です。大人数なら交代で入ることになります。全員が同時に入りたいなら、サウナ室が8名のグランマーレ淡路のような宿を選んでください。
まとめ
サウナと温泉が「同じ宿にある」ことと「客室の中にある」ことは別です。客室にあれば、回数も順番も時間帯も自分で決められます。予約する前に、温泉が共用の大浴場ではなく客室に付いているかを確認してください。
水風呂の質を変えたいなら温泉水の水風呂を持つマリントピア・ザ・スイート、源泉そのものを楽しみたいなら地下300mの黒湯を全室に引く五氣里 -itsukiri- プライベートヴィラ、グループ全員が同時に入りたいならサウナ8名のグランマーレ淡路、高温が苦手なら70℃のレイクサイドテラス琵琶湖です。
そして温泉は「冷えすぎたときに戻れる場所」として数えてください。その1つがあるかどうかで、冬の外気浴の長さが変わります。
サウナレでは、この6軒を含むサウナ付きの宿を施設ページで紹介しています。気になった宿があれば、各施設のカードから設備と空室を確認してください。
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